「ちょっと待てって。バレるだろ?いくらなんでもこんな・・・。イテッ!」
木下と石田は表情ひとつ変えず、手際よく奈桜を梱包して行く。
そして終わったところで軽く頷き合う。
石田は置いてあった鍵を掴み、木下はゆっくりと台車を動かす。
「絶対に声は出さないで下さい。荷物になったつもりでお願いします」
「分かったよ」
少々ふてくされた奈桜の声がガムテープを貼られたダンボールの中から聞こえた。
「行くぞ」
木下の声とともに奈桜の脱出作戦が始まる。
2人とも大真面目な顔をしているが、内心、こんな馬鹿げたやり方がどこまで通用するか不安だった。
もしマスコミにバレたら。
アイドルとして、最悪の格好を晒す事になる。
でも、今はこれしか奈桜を助ける方法が見つからない。
エレベーターを降り、正面玄関に出る。
エサを待つ鯉のようにマスコミが群れている。
裏の出口にももちろん、マスコミがいる。
運のいい事に今日、マンション内で引越しがある。
大きなトラックが横付けされた今がチャンスだ。
木下たちは作業中の引越し業者に上手く紛れた。
木下と石田は表情ひとつ変えず、手際よく奈桜を梱包して行く。
そして終わったところで軽く頷き合う。
石田は置いてあった鍵を掴み、木下はゆっくりと台車を動かす。
「絶対に声は出さないで下さい。荷物になったつもりでお願いします」
「分かったよ」
少々ふてくされた奈桜の声がガムテープを貼られたダンボールの中から聞こえた。
「行くぞ」
木下の声とともに奈桜の脱出作戦が始まる。
2人とも大真面目な顔をしているが、内心、こんな馬鹿げたやり方がどこまで通用するか不安だった。
もしマスコミにバレたら。
アイドルとして、最悪の格好を晒す事になる。
でも、今はこれしか奈桜を助ける方法が見つからない。
エレベーターを降り、正面玄関に出る。
エサを待つ鯉のようにマスコミが群れている。
裏の出口にももちろん、マスコミがいる。
運のいい事に今日、マンション内で引越しがある。
大きなトラックが横付けされた今がチャンスだ。
木下たちは作業中の引越し業者に上手く紛れた。

