辛い想いに浸る間もなく、チャイムが鳴る。
「エッ!?何それ?どうしたの?」
そこに立っていたのは引越し屋の格好をした石田と木下。
側に台車と大きなダンボール箱。
「入らせて頂きます」
2人は強引に中に入ると急いでドアを閉める。
「まさか、これって・・・」
奈桜が恐る恐る聞く。
自分の予想は当たって欲しくなかった。
「そうです。急いで下さい。奈桜さんは細いのでこの大きさで大丈夫です」
軽く石田が言う。
「大きさの事じゃねぇよ。なんでオレがこんなとこに入らなきゃいけないんだよ」
「車に乗るまでの辛抱です」
木下が淡々と言いながら奈桜をダンボールに押し込んだ。

