パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「いつになく返事がお早いですね。大丈夫です。『不器用さ』を必要としていましたから。良かったです。不器用で」



石田のしたり顔が奈桜を不安にさせる。




「いや、意外と器用かな?ちょっと謙遜してみたんだけど」



取り繕うのも情けナイ話だが、これ以上、何かやらされたくない。



「マフラー、編みません?手編みのセーターとか・・・」



バックミラー越しに奈桜を見ると、やっぱり寝たふりをしている。



「桜ちゃん、絶対に喜ぶと思うんです。桜ちゃんに編んでみませんか?」



「あのさ、石田さん、オレに何を求めてる?何を目指してる?」



目を開けた奈桜がやれやれという顔で石田を見た。