パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~




深夜遅くまでかかった撮影もようやく終わり、奈桜は石田の車に乗り込む。
雑誌の取材だけでもいくつ受けたか分からない。
合間を縫って、こなせるだけこなした。
シートに座るなり瞼が強制的に閉じて来る。



「奈桜さん、」



バックミラー越しに石田が奈桜を見る。
返事がない。



「奈桜さん、」



「ん?」と奈桜が重い瞼をこじ開ける。



「お疲れのところ、すみません。ちょっとお話があるんですが」



車はゆっくり走る。



「何?」



「仕事の話です」



「分かってるよ。デートの誘いだったら他のヤツにするだろ?」



石田の顔が赤くなった事に奈桜はもちろん気付いていない。