パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「ネクタイは白だぞ」


目を反らした心が低い声で言う。


「お…おぅ。分かった」


奈桜はしっかりと頷く。


「ククッ…」


奏が思わず小さく笑った。
すかさず心が奏を見て『笑うな』と、黙って首を小さく左右に振る。
だが2人共、下を向いて肩を震わせている。
奈桜は…
そんな2人の笑いなど、全く気付いていなかった。


「ありがとう。助かった。オレ、こういう一般常識ってよく知らないからなぁ」


「ほんと。奈桜は常識を勉強した方がいい」


笑いそうになった口びるを噛みながら心が言うと、耐えきれず『プッ!』と奏が吹いた。


「何?」


「何でもない…」


慌てて奏の頭を心が叩く。


「あとの事はおばさんに聞けよ。向こうは家庭訪問のプロなんだから。あ…くれぐれも服装の話はすんなよ。頼りない父親と思われたくないだろ?」


さすが、最後に釘をさす事も忘れない。


「心に聞いて良かったよ。…頑張るよ」


最後は何故か3人で円陣を組んで気合いを入れた。