パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

『奈桜さん』と名前を言われ、奈桜は『えっ!?』っと驚いて顔を上げた。



「宮ちゃん!大丈夫だった?ごめんね」



優しく笑いながら、男のなのに細く長い綺麗な指で紗希の髪を整える。



「だ、大丈夫です!」



慌てて奈桜の手からスルリと抜けると、一歩下がった。
うつむき気味に少し垂れた横の髪を耳にかける。
紗希の顔は誰にも見られたくない位に真っ赤になっている。



「あれ?宮本さん?」



スタジオに入って来た奏が紗希に近寄る。



「あ、奏さん。おはようございます。あ・・・あの、良かったら、これ、皆さんで。ここのチョコレート、すごく美味しいんです」



まだ少し紅い頬でうつむきながら押し付けるように奏に持っていた紙袋を渡した。