パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~

「女を縛っておくのはオレの趣味じゃないしな」



ニャッと笑う顔が憎々しい。



「奈桜に何をしたの?」



語気が強くなって行く。



「オレは、常に、使えるヤツが好きなんだよ。才能、人気、性格、どれをとっても奈桜は申し分ない。芸能界で稼ぐには『Z』を使う。それも『雨宮 奈桜』を握った者が勝つ。アイツはまさに今が旬で、使い時なんだよ」



「なんて事を・・・」



神川の言う事は確かに的を得ているかもしれない。
水モノのこの世界、人気を得た者がのし上がり、その周りには金、地位、権力を愛する者たちが群がって来る。
それはごく、ごく、当たり前の事。
でも、相手の弱みに付け込んで、より多くの蜜を吸おうとするのは卑怯過ぎる。



「お互いさまだろ。奈桜だってオレに助けられたはずだ。今回の事はアイツじゃどうしようもなかったはずだ。オレは奈桜の持ってる『数字』が欲しい。アイツは碧を助けたい。利害関係が一致した。それだけだよ。まぁ、オレも人の子だ。無理をさせた礼に、お前を自由にしてやって訳だ。たまには褒美もやらないとな」



梓の目から大粒の涙が一粒、こぼれ落ちた。