パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~




「よぉ♪」



空港に着いた梓に誰かが声をかけた。



「どこかへご旅行ですか?神川さん」



梓はにっこりと微笑んで、サングラスを取る。



「ふっ。あいにく仕事が詰まっててね。君が一緒に来てくれるなら、今からチケット取るけど」




「そう言って下さるなんて光栄です。でも、残念ながら私も行く所があって」



もう一度にっこり微笑み、歩き出す。
梓が神川の横を通り過ぎようとした時、腕をガシッと掴まれた。



「なんですか?」



さっきまでとは違い、強い口調で睨みつける。



「どこへ行くんだよ?」



腕を強く掴んだまま、神川は少し笑みを浮かべて言う。




「あなたに言う事じゃありません。離して下さい!」



「オレに言う事じゃない?アメリカにいるはずのお前がなんで日本にいる?」



神川を見る梓の目が少し怯えた。