パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~


「お茶、淹れたから。ちょっとゆっくりしなさいよ」



部屋から出て来た奈桜に優子がキッチンから声をかける。



「あぁ…、うん」



奈桜は困った顔をしながら、仕方なく返事する。
本当は一刻も早く仕事に戻りたかった。
周りへの迷惑は出来るだけ最小限に抑えたい。
特に子供を理由にしての事は何故か気が引ける。
でも、今夜は母親の優子に病気の桜を見てもらわなければならない。
邪険になど出来ないだろう。



「ちょっと座ったら?」



優子は優子で、寝る間もなく走り続ける息子を心配していた。



奈桜はそのままリビングへ入って来るとソファーにはあえて座らず、キッチンのテーブルの椅子に座る。



「ソファーだと寝ちゃうわよね?」



優子には奈桜の行動はお見通しだった。