「いやだ。遠慮なさらないで下さい。私、こう見えて家事が得意なんです。晩ごはんも作りますから。冷蔵庫にあるものでテキトーに作るのが好きなんです」
『出た…』奈桜は心の中でため息をつく。
オトコを堕とす必殺テク。
だが、こんなセリフ、奈桜は聞き飽きている。
し、料理で堕ちるタイプのオトコでもない。
「いや、あの、本当にもう…。私もあとは母に任せて仕事に戻りますので。本当に、お気遣いありがとうございます」
爽やかなアイドルスマイルで玄関へおびき出す。
するとすかさず、母の優子がリビングのソファーに置いてあった美優希の鞄を取って来て奈桜に押し付ける。
奈桜は嫌そうな表情を見せたが、すぐまた笑顔に戻ってその鞄を美優希に渡す。
「本当にありがとうございました」
「えっ?あ…、まだお母さまにお茶の用意が…。それと、奈桜さん、こういう時に便利だと思うのでアドレスの交換を…」
靴を履きながらも食い下がる。
「携帯、持ってないんです。すみません。お気を付けて」
『えぇー!!』と言う美優希の大きな声が聞こえたが、無視してドアを閉めた。
『出た…』奈桜は心の中でため息をつく。
オトコを堕とす必殺テク。
だが、こんなセリフ、奈桜は聞き飽きている。
し、料理で堕ちるタイプのオトコでもない。
「いや、あの、本当にもう…。私もあとは母に任せて仕事に戻りますので。本当に、お気遣いありがとうございます」
爽やかなアイドルスマイルで玄関へおびき出す。
するとすかさず、母の優子がリビングのソファーに置いてあった美優希の鞄を取って来て奈桜に押し付ける。
奈桜は嫌そうな表情を見せたが、すぐまた笑顔に戻ってその鞄を美優希に渡す。
「本当にありがとうございました」
「えっ?あ…、まだお母さまにお茶の用意が…。それと、奈桜さん、こういう時に便利だと思うのでアドレスの交換を…」
靴を履きながらも食い下がる。
「携帯、持ってないんです。すみません。お気を付けて」
『えぇー!!』と言う美優希の大きな声が聞こえたが、無視してドアを閉めた。

