神谷は死んだのだ。
もうこの世にはいない。
頭では解っているのにいつまでもだらしなく残像に脅える自分自身を浅はかだと笑う私が居る。
(…わかってるのに)
神谷が最低な男…以前に最低な人間であることは言うまでもない。
けれど心の何処かで、私にも問題や責任があったような気がして罪悪感や背徳感が胸の中でいつも暴れている。
(…そんなの、知らない)
私はいつもソレを――見ないふり。知らないふり。
『恋愛なんてしなければいい。私が誰かを幸せにする資格はないの』
ふぅ、と息を吐いて余計な雑念を排斥する。
それからやっと3回目の青信号を、偽りの仮面を被り直して颯爽と渡った。


