forget-me-not









『…コスプレって、ど、どうゆう、』

「ネーコーミーミ!猫耳!あれつけてそこの窓の傍に立ってたのよ~」


ギャップ萌~、なんてハァ、と溜め息をつくリカを冷ややかな眼差しで横目に見た。



(…なんか、心配して損したかも)




『夜中でしょ?幻覚でも見たんじゃないの、どうせ』


黒川夜がコスプレ…?

有り得ないでしょ、だって。




「ほんとなのよぉーう。そこの、そこの窓の外を見ながら、黄昏ちゃってる感じでなんかもうキャー!!」


昨夜の黒川夜を思い出して照れたのか、両手を顔で隠しては、指の隙間から私を覗き見るリカ。やめてほしい。

美形は例え夜中でも、黄昏てても、かっこいいらしい。



(…めも、めも、)




『黒川夜、なんか恋愛知りたいって、言ってた…』

「えー!あんな顔して恋愛したことないのー?まさか…ど『あーあー、五月蠅いなぁもう』


黒川夜のことになると何かと騒ぎ立てるリカを宥めるのも、ほとほと疲れる。

確かにカッコいいとは思う。それ以上に人間離れした魅力があることも、認める。



(…でも私は、あんなの、やだな)



冷静沈着ぶりも、乱れない気性も、内心嘲笑って見下されているようで好きになれない。