何を望む、なんて。そんなのリカを死なせないでほしい、に決まってる。 「リカが生きるのと、神谷勤の記憶を消す。どっちがいいの」 (どっち、が…) 鳴り止まない携帯、焦点の合わない胡乱な目。 (…消して、ほしい、けど) 何度この煩わしい記憶に苛まれ、いっそ死んでしまおうかとさえ思ったことか。 ベッタリと、私の全てに焼き付いた神谷勤と共にどうせ死ぬまで生きていかなければいけないのだから、と。 (…神谷勤の記憶を消す) そんなことが可能なものなら、藁をも縋る思いだ。 消して。消して。消して。