forget-me-not








初めて会ったときと全く変わらない夜くんは、今日もその空虚なブルーの瞳を煌めかせていた。

それでも、最初よりわずかに温かみがさしているような気がするのは私の錯覚なんだろうか。




『また、帰ってきたの?』

「ううん、これを返すの忘れてたから」


そういってゆるりと差し出したのは、



『こ、れ……夜くんが持ってたの?』

「そうだよ」


探していた私の詩集だった。

なんで彼がこんなものを持ってたんだろう、そう不思議に思って首を傾げていると、彼は何も言わずに私の隣に腰かけた。




『……』

「……」


お互い口を開かずとも、なんとなくわかった。

これで、本当の本当に、お別れなんだと。



(…あ、…………どう、しよ、)



隣に、どうしても会いたかった人がいる。

伝えたいことがたくさんある。

今すぐにでも抱きつきたいくらいなのに、それどころか顔もみれず、何も言えない。