闇雲に走っていた。
いろんな人の言葉がかけめぐっていた。
優しい新戸くん、掴めない夜くん、怒った泉月さん、微笑んだリカ。
――もう、こんなふうにずっと、恋愛はできないのかな
それはそれでいい。今までだってずっとそうやってきた。
だけど、どんな形であれ人と関わるということは、悪い事もいい事も含めていろんなことにぶつかる。
恋愛じゃなくたってそう。親友から重い指摘を受けることもある。
他人に生き方を否定されることもある。
もったいないほどの優しさを向けられることもある。
人生で最高だと思えるほど幸福なこともある。
もちろん、その逆だってある。
『もう、やだぁ。……グスッ、どこにも、……どこにも逃げられないよぉ』
雨の中、傘もささずにびしょぬれになりながら立ち止まって、大声で泣いた。
そう、逃げ場なんてない。
恋愛だけを遠ざけるなんてできない。
人生から逃げることなんて、できないから。


