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「どーしたの?先輩……、元気ないよ?」
ぼぅ、とする頭を振り払って、アイスコーヒーを勢いよく吸う。
目の前の可愛い顔は、そんな私をまっすぐ心配そうに見つめていた。
『、ん、何でもないよ』
「…ほんと?デートおっけーしてくれると思わなかったから、俺はすっごーいいま嬉しいです」
にこにこと笑った新戸くんは、ストロベリーなんちゃらと長い名前のドリンクを美味しそうに飲んでいた。
落ち込んでいた私に「週末映画いきません?」と彼が誘ってくれたのだ。
当然いまはそんな気分じゃなかったし断ろうかとも思ったけど、きらきら期待で輝いた目をみて断れなかった。
それに、恋愛ものだったら速攻お断りだったけど、生憎それは私の好きなアクションもので、気晴らしにちょうどいいかな、と思ったのだ。
『そんな、おおげさだよ』
「わかってないなぁ、先輩。…これで心置きなくしねます」
『いや、死なないでよ』
楽だ。新戸くんといるとすごく楽だ。
夜くんといるときみたいに、空回りしたりやるせない思いになったり言い合いになることもない。
――新戸葉。彼ならきっと、フウを幸せにしてくれるはずだよ
あぁ、こんなときに皮肉にも、夜くんの言葉がよみがえる。


