「彼は危ないって、言ったでしょ」
『そうだね。夜くんの言うとおりだった』
「もう一度聞くよ、どうして死のうとなんてしたの」
『……だって、もう、誰かが傷ついたり、死ぬのを見るよりは、死んじゃったほうがいいやって、思ったの』
泣きながらそう答えれば、夜くんは私を少し離して、瞳をのぞきこんだ。
青いそれが、まっすぐに私の瞳にむけられる。
その中には、私の顔が映りこんでいた。
「いい?」
私の両肩を抑えて、夜くんは続ける。
「キミが死んだら、僕が傷つくよ」
「だから、死んだらだめ」
じわり、その言葉が優しく部屋に響いて涙が溢れる。
どうしていつだって彼は私の心にこんなにも深く侵入できるんだろう。
その一挙一動で、どれだけ掻き乱すというんだろう。
夜くんは、きっとそのことを知らない。
好きと言われたことさえないというのに。
愛されてると、期待してしまうじゃないか。


