『……よ、るくん』
もう会えないと思っていたから、目の前にある彼の姿に動揺して声が揺れた。
夜くんは、ガラスのような青い瞳を哀しげに私に向けて、
『…え?』
何も言わずに私の手を引いて歩き出す。
「ちょ、ちょっと待てよ」
「……なに」
「俺じゃ、ない……勝手に、そいつが、」
「……わかってる」
殺人未遂をしたことで腰が抜けた泉月さんと夜くんの短い会話。
夜くんは簡潔に答えたけれど、私の手に込められた力は強かった。
『夜くん、』
彼が何を考えているのか、解らなくて怖かった。
静かで、表情には表さないけれど、沸々と彼の怒りを感じる。
(…何故だろう)
だけど、また会えたことに束の間の安堵と喜びをおぼえていた。
この手を離してほしくない。
さっきまで死を覚悟してたっていうのに、笑える。


