forget-me-not








息ができない。せりあがる胸が苦しい。

気道に鉛が詰まってるかのように、それを実感すると何も悲しくないはずなのに、両目から涙があふれ出る。


「…今度は泣くのかよ」


違うの。泣きたくなんかないの。それでももう、息ができなくて、神谷や陵やリカや夜くんや新戸くんの顔が頭から消えなくて。

みんな、「卑怯者」「弱虫」「疫病神」そんな言葉を吐いて蔑むように私を見ている。


「いいよね、そうやってすぐ弱者の側に立ち廻れてさ」


加えて、涙で滲む視界には、私を憎む泉月さんがいて、そんな言葉を容赦なく浴びせてられる。



(…もう、いいや)



息ができなくて、必死に喉元を押さえるのも、頭の中に浮かぶ顔に、胸が押しつぶされそうになるのも、目の前の人の罵倒に耐えるのも、



(…みんなみんな、疲れた)