forget-me-not








それでもすぐに、ふるふると彼の眼孔が僅かに震えだす。



「愛されてるのに、無碍にする。神谷も、葉も、陵ってやつも。……みんなお前を想って真正面から行動してるのに、なんで肝心のお前はそんななんだよ」


むかつくよ、絞り出すようにそう言って、泉月さんは私から目を背けた。

痕のある腕を、爪が食い込まんばかりにきつく握っていた。



『……私は、私はどうすれば、いいんですか』

「もっと、正直に生きろよ。お願いだから…、好きじゃないなら葉を振り回さないでやってくれ」

『どうして好きじゃないなんて、泉月さんにわかるの……』

「全部、聞いたからだよ」


視線を左下に落として、低い声で泉月さんは苦笑する。




「お前の友達に。黒川夜のこと、全部聞いたからだよ」


顔をあげた彼は、憎々しげに私を見ていた。

リカのことだとすぐにわかった私は、先日のことを思い出し、胸がえぐられるような感覚に陥った。

また、リカに裏切られたような気がした。