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「ま、座ってよ」
使ってない個室。私と泉月さんの二人だけ。
わざわざ移動したことで、警戒心はさらに強まる。
それでも神谷とこの人がどういう繋がりなのか気になって、ひとまず勧められた椅子に座った。
「さっそく本題いっていー?」
『どうぞ、』
「お、素直じゃん。やりやすくて助かる」
そんな小芝居いらないのに。さっき見た腕の痕とその明るい笑顔がどうやったって重ならなくて、自然と呼吸が苦しくなる。
泉月さんは机の上で手を組んで、両手の親指をくるくるさせながら、苦笑混じりに話し出した。
「俺はさー、簡単に言うと、神谷が好きだったんだよ」
『…』
「でもさ、お前にとられちゃった。…とまぁ、そんな事はいいんだ」
『…』
さらりとカミングアウトされたわけだが、私は表情を変えず、その言葉の先を待った。
まだ、なにかある。


