「おー、こんなとこに居た。ずっと探してたんだぞ?」
甘い後味を感じながら色んなことを考えて感傷に浸っていれば、そんな重い空気を吹き飛ばすように間延びした声。
(…え、っと。…あぁ、)
「お前どこ探しても見当たんないからさ、大学、ちゃんと来てた?」
『あー…、えーと、確か……泉月、さん』
「えーと、確か、じゃなくても泉月だよ。覚えて、いい加減」
『あぁ、はい。……で、何か用ですか?』
今、ぶっちゃけこの人と話してる余裕ない。
考えなきゃいけないことが多すぎて、いろいろ楽観して生きてそうな泉月さんと話してると、きっと苛々するだろうな。
そんな勝手極まりないことを考えて、ちょっと不機嫌な顔になっていたらしい。
「なぁに、シケた面してんの?」
『…まぁ、いろいろと』
「いろいろ、ねぇ。それだったら俺もだよ」
はぁ、なんてため息を吐いて、泉月さんは私の横に並んで自販機に寄りかかる。
並ぶと一層背が高くて、ちょっと悔しかった。


