『もっと、素直になってみる。保険かけたりするの、やめて、全部全力でやってみる』
「わ、フウの口からそんなセリフがでるとは。なんに対してもあれから無気力だったくせにねぇ~」
『もぅ、うるさいなぁ』
あぁ、こんな親友がいて本当によかった。
改めてそんな“あたりまえ”に感謝することができる。
私一人じゃ絶対に、ここまで立ち直れなかった。
「フウがそう言うなら……、あたしも正面から、ちゃんと向き合おうかな」
ピ、とDVDのメニュー画面が流れっぱなしだったテレビの電源を切ると、リカが照れくさそうに呟いた。
今度はなんだろう、と先ほどの余韻をひいたまま、私も笑顔で彼女の顔をのぞきこむ。
けれど、その和やかな雰囲気は、リカの次の一言によってたちまち崩壊した。
「あのね……?あたしも、――黒川くんが、好きなの」
え、嘘でしょ?またからかってるんでしょ?
咄嗟にそんなことを口にしそうになって、口から乾いた笑いがもれた。
さらに、嘘だよね?というように、首をかしげてリカの表情をうかがう。
――が、
「残念ながら、本気なのよね」
『……』
「実は、一目ぼれ。あたしが一人に入れ込むのって、なぁんかカッコ悪いじゃない?……だから、言えなかったんだけど、」
『……』
「あきらめよっかなーとも思ったけど、そんなの嫌だった。あたしは、絶対に惚れた男を振り向かせる。そうやって、自分に正直なのだけが取り柄で生きてきたの。……何もしないうちから諦めるなんて、性に合わないのよ、ね」


