「傷つけたくないんじゃなくて、フウのはさ、傷つけたことで自分が罪悪感を感じて傷つくのが嫌なだけでしょ?……逃げるのもいいけどさ、いい加減もう少し、勇気だして向き合いなよ」
『…ち、がうの、リカ――』
「言い訳はもう、いいからさ?」
頭の中で、サーッとなにか冷たいものが流れていった。
それと同時に体温はあがり、それなのに寒気がした。
恥ずかしかった。同時に悲しくて、悔しかった。
解ってしまったから。今まで、どれほどリカに甘えていたか。
その頼りがいある性格に、どれだけおんぶにだっこされていたか。
(…何も、みえてなかったな)
一人で生きる、彼氏はいらない。誰にも頼らない。
よくもそんな大きなことが今まで言えたことだろう。
そんなのは真っ赤な嘘だった。
――私はずっと、彼女に甘えていたんじゃないか。
『…ご、めん』
あぁ、何謝ってんだろう。これじゃあ、自分を庇っているだけで、なにも変わらないのに。
「謝らないでよ。あたしはもっと、フウに堂々といてほしいだけなの」
『…うん』
「神谷のことだって、陵くんのことだって、フウは何も悪くないじゃない。だいたい、あんたが立ち直らなきゃ、陵くんに合わせる顔、ないじゃないのよ」
『そう、だね』
リカに、丸裸にされてしまった。ものの、3分で。
虚勢や強がりや偽りでガードしていた自分の鎧がどれだけ脆くて、本当の私がどんなに臆病
で弱虫なのか、思い知らされたようだった。
彼女はやろうと思えば今までだってこんなふうに私に現実を突きつけることが出来たはずだ。それでも敢えて今日まで見守ってくれていた優しさに、頭が上がる気がしない。


