「これは、この宇宙のさらに向こうの次元の人間が作り出した、ワームホールを現出するためのものなんだ。僕はどうしてもこっちの世界に来てみたくて、これを使う練習をしていた」
『……UFOじゃ、ないの?』
「あぁ、キミにとってはそれに近いものにみえたかもしれない。全然違うわけだけど」
それを元の場所に戻して、夜くんは肯いた。
私はあまりにも奇怪な話を聞かされて、事態を飲み込むのに必死だった。
それでも一番気にかかるのは……
彼が、自分をただの道具だと言ったこと。
(…いままでずっと、そんなふうに思ってきたの?)
友達の意味を知らなかった彼。人間はすぐに死んでしまう弱い生き物だといった彼。それでもリカの命を救ってくれた。それでも、私を気にかけてくれた。
ただの道具だなんて、きっと嘘だ。
『夜くんは、道具なんかじゃないよ?』
だから、そんなふうに悲しい瞳をしないで。
なにもかも諦めたような、空虚な色を宿さないで。
『私はちゃんと、知ってるよ?』
あなたが、確実ではないにしても揺れ動く心を持っていることを。
無表情にみえるその裏に、悲しみや寂しさを抱えていることを。
――知っているから、私をみて。


