慣れない道をさまよいながら、車を走らせる。
田舎の道は何もなく、ところどころ民家が並び、田んぼや畑が広がっている光景がフロントガラスを通して過ぎ去っていく。
どうしてこんな遠く離れたところで、私は遊んでいたのだろう。
その原因だけがどうしても思い出せずにいた。
もしかしたら、宇宙人である彼が私の記憶を操作したのかもしれない。
そんな突拍子もない考えが浮かんで、私は一人苦笑した。もともと空想を広げるのは嫌いじゃなかったから、長い車内でのいい暇つぶしになった、と。
『楽しみだなぁ…。10年かぁ、』
今思えば、あのときから前後する記憶だけが曖昧で、もやがかかったように思い出せないというのも変な話だ。
さっきの空論も、あながち間違えでもないのかもしれない。
『あー。ちゃんと着くのかな』
新戸くんに教えてもらった道すじを、必死に頭でたどりながら、手元の地図とにらめっこする。
俺もついていきます、の一点張りだった彼を、大丈夫だから、となんとか宥めすかして出かけてきたのだ。
やっぱり、思い出には一人で浸りたかったから。


