ここから先の会話はもう、語りたくもない。
いや違う、思い出したくもない。
「サヨナラ、フウ。悲しかったよ、」
そんな理不尽な言葉を残して、彼は自殺したのだから。
愛していた。人生で初めて、あんなに人を愛した。
けれど、私にとって陵は愛そのものだったから。私の光だったから。
それは恋なんてものじゃないけれど。
――愛した人が、わたしの愛を殺めてしまった
神谷からみれば、いわゆる相殺という現象かもしれない。
私は最期まで逃げ続けて、彼らに向き合うことはできなかったから。
私の光は失われ、それが照らしてくれていた道も消えた。
神谷があの言葉を最期に通話を切らずに死んだという報告も、陵の意識があのまま戻らないでいるという知らせも、全部。あとから人づてに(リカに)聞いた話だ。
情けないと、無責任だと、人は嗤うかもしれない。
それでもわたしはあの時も、いまでさえも、そんな風にずっと
卑怯な臆病者だということに変わりないのだ――。


