病院で。
集中治療室でたくさんの人に囲まれている陵の姿を目にした。
頭の包帯からは血が滲み、いつもは大きく輝くその瞳も閉じられている。
酸素マスクに支えられながら浅く息をするその姿を……。
「…ぃ、や」
私は、咄嗟に後ずさってしまった。
「…ぃ、ゃだ、…ぃゃ…やだ、やだ、やだやだやだ」
陵が、いまにも、いまにも死ぬかもしれない。
もうそれ以上、その恐ろしい光景をみつめることに耐えられなくなって。
後ろを向いて駆け出してしまおうかと……、
そのときだった。
耳慣れた着信音がして、心臓がドキリと飛び跳ねる。
――それは、神谷からの着信だった。


