「ん…、こっち」
改めて渡されたそれには、先ほどのとは大違いにパステルカラーで描かれていて、一見美しいという表現がぴったりだった。
――けれど、
『…な、にこれ。し、死体?』
「うん。たぶん死んでる」
『たぶんじゃなくて死んでるよこれ?!』
「うん。そうだね」
綺麗。そう、陵が言うとおり綺麗なのだけれどその絵は明らかに女の人の死体の絵だった。レインボーカラーが不釣り合いなほど、ところどころから血、血が…。
『ん、返すわ』
「なんで。きれいなのに」
なんで死体をこんなに繊細に描けるのかとか、なんでカラフルなのかとか色々突っ込みどころが多すぎて、ついていけなくなった私はそれを陵に突っ返す。
『これ、まさか…その子が描いたの?』
「そうだよ」
平然とうなずく陵に、なんだろう、保護者としての責任感のようなものが私の中で頭をもたげて蠢いた。
(…ぜったいその子、危ないからやめなよぉ)
まぁ、苦笑することしかできなかったけれど。


