forget-me-not








「朝と学校終わったら、あと寝る前に、電話して」

「メールは10分以内にかえして。無理そうなときはあらかじめ連絡して」

「男とはメールも電話もしないで」

「女の子としか遊ばないで」

「学校以外で会うのも、だめだからね」


愛していたから、言うとおりにしていたら、彼の要求はどんどんエスカレートしていった。

必至でひきつった笑顔を作りながら、不安を押し隠すように、なんとか私を自分につなぎとめておけるように。

私は息苦しさを感じるよりも、そんなふうになってしまった彼が気の毒で、悲しかった。

なにが彼をそうさせるんだろう、私に原因があるのかな、私が彼を変えてしまったんだろうか。

そんなことを考えている間にも、束縛はどんどん酷いものになっていく。



(…どうして、好きなのに、)


好きなのに。ほかの人なんか目に入らないくらい好きなのに、どうして。

日に日に変わっていく彼の横顔を見ながら、そう思って、何度も涙がにじんだ。



(…この人をこんなに苦しめているのは、私なんだよね)



それがどうしようもなく、哀しかった。