未だ眠い目を擦りながら、胸にせり上がる古い記憶を押しとどめるように鞄にソレラをしまう。
―――ん?
(…え、あれ)
確かに、見えた。
キラリ、光る蒼い瞳が。
遠くではあるけれど、室内の蛍光灯と窓ガラスに反射して、確かに…
(黒川、夜…?)
後ろに行くにつれ、斜めに高くなる室内の奥にいた私。
入り口付近で下から私を見上げた彼の視線を、捉えた。
(一瞬、だったけど)
瞬きをした合間にもう、黒川 夜は居なかった。
(気味悪いなぁ)
暖房の熱にやられて幻覚を見たのだろう、と自分を一喝して溜め息をつく。
『あ、新戸くん…』
リカに言われた伝言を思い出し、忌まわしい記憶と先程の幻覚は頭から払拭した。


