forget-me-not








「じゃあ、顔もいいしセックスも上手くて、後に引かないさっぱり割り切りタイプ!はどう?」


思考の一部を遠くへ飛ばして考え事をしていた私の耳に、リカの明るく突き抜けた声がとおる。



「あ、このまえパパのクライアント紹介したげたら、ピアスとか指輪とかいっぱい買ってくれた人がいるわよ。そっちにする?」


右耳のピアスをちりり、と弄びながらリカが私に微笑む。

少し前までの私は、そんな突き抜けたリカの性格がありがたかったけれど、今はなぜか凄く疲れる。




『ちがうの、リカ。私…相手はどうだっていいの。ただもう、そういうのは全部やめにしようと思って』

「え、なんでぇ?」

『うん。…なんか、疲れちゃって』


面倒になったのだ。

独りぼっちの気分、空っぽの気分、足が竦むような恐怖。

そんな症状に嫌気がさしたとき、部屋やホテルまで出向いて、一度も財布を開けることなく、リカお墨付きの安全な男と寝る。

こちらの住所も連絡先もばれないし、リカの知り合いだから危険性もない。