forget-me-not








『――なに、』


ズンズンと長い足で歩いた先に連れてこられたのは、新戸くんといつも使っている秘密会議室。




「あの人は危険だから、やめたほうがいい」

『………』


部屋に入った瞬間に離された腕。

乱暴に掴まれていたせいで赤く鬱血した跡が残り、血管がどくどくいっていた。



(…こわ、いよ)



物静かな夜くんらしくない荒々しさにただ驚くばかりで、口を開いたものの声がでない。




『…なに、が?』


乾いた口からやっと紡ぎ出せた疑問。

すると、夜くんはゆっくりと私を振り返って首をふった。




「あの人間のオーラ、凄く黒いんだよ」


そう言った表情のないはずの彼の愁眉が、少しだけ顰められていて。



―――嫌な予感がした





『オー、ラ?』


どこぞの霊能力者だよ、と半笑いで訊き返す。




「彼はきっと、…キミに危害を加えるんじゃないかな」


小さな声で呟く夜くんの真意がわからない。

尤も、彼の真意がわかったことなんてないけれど。