「直ちゃんと何かあった?今日はゆかりと直ちゃんも遊んでるんだろ?」
「まぁな。俺達には珍しく、ちょっと変な感じになっちゃって」
助手席に座るたっくんが、俺の顔をニヤニヤしながら覗き込んできたから、左手でパンチした。
「ニヤつくなよ、たっくん」
「だって、たまには先生達もケンカした方がいいって。ラブラブ過ぎて悔しいもん」
「たっくんと中田は最近どう?」
早く本題に入りたそうなたっくんだったけど、俺は話をそらす。
「俺とゆかりのことはどうでもいいんだよ」
「だめだよ。あんなに心配かけたんだから」
「俺とゆかりは、よくケンカもしてるけど、順調だよ。それより、先生と直ちゃん何があったんだよ」
聞いてないフリをして、車を運転している俺。
突っ込むたっくん。
何度かそんなやり取りを繰り返した後、たっくんが言った。
「もしかして、先生浮気したの?」