確かめたいが、無駄だと思い至った。後出しじゃんけんにしかならない。

 どう返すのがベターなのかわからぬまま、途方に暮れた。

 過去へ戻りたいという僕のあしもとを見てるのか、そもそもどうして僕に声を掛けたのか。

 男の態度を思い出す。僕が過去へ行くと決め付けていたような、あの態度を。

──もしかして、未来の僕が過去へ戻るという選択をするのを、彼は見ていたのではないか。

 何が何やらわからなくなった。考えたって堂々巡りになるだけのような気がした。

「本当に、過去へ戻れるんですね?」

 半ば捨て鉢な僕の言葉に、“悪魔”はゆっくりと顎を引いた。