ビーズアクセもそう。

はじまりは姉がバイト先で、ビーズアクセの製作を進められたことがキッカケだった。

けれど姉はそっち方面はてんでで、わたしに余った材料をくれた。

その材料の中には、ビーズアクセサリーの作り方の本があった。

それを見ながら作ったら、けっこう上手く作れた。

出来た作品を姉にあげたら、スッゴク喜んでくれた。

作ったのは指輪で、姉は今でも外に遊びに行く時とかにつけて、友達に自慢しているらしい。

わたしとしては…恥ずかしい。

でも自分の作った作品を、喜んでくれる人がいる。

褒めてくれる人がいる。

それが家族以外にもいるから、わたしは手芸を頑張れるのかもしれない。

「…うん。ちょっと分かってきた、かな?」

「そう…?」

「うん。ありがとね、おにぃ」

わたしは穏やかな気持ちで、ココアを飲んだ。