「うん…。今日原稿渡すついでに、打ち合わせしたから…」

「そうなんだ。あっ、ココアでも飲む?」

「ああ…お願い」

兄はズルズルとソファーに寄りかかり、ぐったりしてしまった。

マンガを書いている時に、激しく集中力を使う為、それ以外はズルズル・ダラダラしてしまうのだ。

気力がもたないらしい。

わたしはキッチンへ行き、二人分のココアを作って、リビングへ戻った。

「はい、おにぃ。ココア」

兄用のマグカップをテーブルに置くと、眼を開き、ゆっくりと飲む。

兄は生まれ付き、体が丈夫ではなかった。

病気をしやすく、寝てばかりだった。

そんな中、マンガを読んだり書いているうちに、マンガ家になることを決めた。