ほこりに咳き込みながら、奥から取り出していく。

 

「あ・・・」


 出てきたものに、懐かしさで胸を締めつられる。

 ほこりだらけの、アルバム。

 それは、幼稚園の卒園アルバム。

 ページをめくる。

 すこしすました顔で映っている個人写真。

 そして、ひな祭り、運動会などの写真。

 いつも、そばにいて笑っているのは小さな小さな遼。

 いつも一緒だった私たちを、あらためて、実感する。



 どうして、離れなきゃいけないの?


 頬をつたった涙が、アルバムのページに落ちた。



「泣かない。・・・もう、泣かないんだから」



 こぶしで、涙をぬぐって、立ち上がる。

 ふと目に付いた、遼からもらった二つの包み。

 開けるのが急に惜しくなって、帰ってから、机の上に置いたままだった。