てきぱきと粉やバターをボウルに入れてかき回す結愛さま。 どことなく…小動物みたい。 「できてるんじゃないですか?初めてにしては上出来ですよ」 軽く、何気なく言っただけなのだが。彼女は手を止め俺を向き、 「ほめられた!ありがとうございます」 それがまた最高の笑顔で。 また俺の心臓がうるさく高鳴り出す。 「オイ、慧斗。これオーブン設定おかしくね?」 秀に言われるまで気がつかなかった温度設定の間違い。かなり動揺してる、俺。