「慧斗、クッキー作れたりしますか?」 勢いよく扉を開け、訪ねてらしたのは二日目。 結愛お嬢様は今日もお疲れの学校(原因は秀にあるらしいのだが)から帰宅されてすぐに俺の元に来た。 「クッキー?」 突然に何を言い出すのだろうか。俺は問うと本人の代わりに秀が口を開く。 「家庭科なんだとさ」 確信犯の笑みを浮かべる秀に結愛はつっかかる。 「秀、言わないでくださいってば」 この口調から俺は悟った。お嬢様はどうやら料理が苦手らしい。