「そういうワケじゃねぇけど」 「ちょ、なに考えて…」 黙ってろ、と小声で囁かれた。吐息が耳にかかって、くすぐったい。 『えぇっ、百瀬さんとお付き合いしているの?』 「あぁ」 『入る余地ないじゃん』 「ないな」 淡々となかなか引き下がらないしつこい女子の相手をする秀。だんだん諦めていくなか、ただ一人。 『付き合ってるんなら、証拠見せて?』 と本気で惚れたらしいある女子が最後のあがきを見せた。 「だから、付き合ってな…」 否定しかけたけど。次の瞬間のが極めつけだった。