「執事部屋には入られましたか?」 自慢じゃないけど、ここの家は軽くドームくらいの敷地がある。たまに来る客人は迷ってしまうほど――無駄に広い。 「あぁ、それはさっき慧斗が」 するとそれを遮るように、慧斗が目を輝かせながら矢継ぎ早に質問を投げかける。 「にしても広い豪邸でした。一階のエントランスから地下のワインセラーはお父様のご趣味ですか?ダンスホールに鏡張りのレッスン室は、お母様ですかね。あと茶道用の釜がありましたが、たしなまれるのですか?」 すごい…どこまで見てきたんだろう