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「ハァ?相田のとこの?」
電話を受けて、見習いの一人として入れられたのは秀、慧斗、琉叶のチームだった。
「相田暖人です。よろしくおねがいいたします」
「お、おぉ……よろしくな」
「秀、腰が低い人だとわかってからの変わりようがひどいな」
正直、執事としては個々が未熟だった。
でも秀は口はアレだが勉強ができたし、慧斗は家事、琉叶は人の気持ちに敏感で気が利くようだった。
「ハルトさまは、育ちがいいだけになんでもお出来になりますね」
「慧斗…だよな。ハルトでいい」
「ハルト。わかりました」
にこっと笑う慧斗。年齢にしてはスキルが高く、そろそろ独り立ちをしても良いんじゃないかと思うくらい。
なぜいまだに見習いとしての短期派遣にしか出ていないんだろう。
思うところがあるのかもしれないけど。
「ハルトにぃは、本当は百瀬家に用事があるんですか?」
「っえ」
振り返ると、琉叶がきょとんとこっちを見ていた。

