「いつでも、連絡くださいね。待ってます」 「慧斗……」 料理上手でやさしくて。 あたたかくて。 最後になった頭をぐしゃぐしゃにされながら涙をこらえた。 「ありがっ……」 「泣かないで。笑ってるのが、一番素敵ですよ」 なんで最後までこんなに優しいんだろ。 心がほぐされていく。 「ありがと、慧斗」 去り際、すこしだけ辛そうな慧斗の表情にきゅうと胸が苦しくなる。