「お嬢さ…結愛さま。契約内容をご確認ください」 丁寧に指を揃えて差し出すハルトからわたしはFAX用紙を受け取った。 まず目に飛び込んできたのは百瀬アリサのサイン。 百瀬アリサ――漢字表記は有紗。 わたしの母の名前だ。当たり前だけどすでに契約書にサインがしてある。 「えと……」 内容は こうだ。