「結愛さま」


なあに?とまたふわりと心に風が吹く。そうやって、また俺はすこし期待するんだ。


「いつでも連絡していらしてください、力になります」


これが今できる精一杯の告白だと……考えている。


「ふふふ、ありがとう。新しいお嬢様に嫉妬されない程度に、ね」


にこっと俺は笑えているだろうか?


「卵焼き、冷蔵庫にレシピがあります」

「慧斗らしい」

「いつか、結愛さまの手料理が食べたいです」

「修行しなきゃだ、へへ」