「ここ、空いてるから早く」


現実に引き戻れて、ヒラヒラ手を振る結愛さま。


なんだか、無性に苦しいような感情が押し寄せてきた。


これでさよならでいいのかと。
言ってしまっていいのかと。
ふたつの想いがくるくると混じっている。


「ハルトにぃ!秀にぃ!飲み物買ってこよ」

「へいへい」

「適当に選んで来ますね」


琉叶が気を利かせてふたりを連れ出してくれた。

ひさびさの二人きりだ………