「一応、告った」


出てきた淡々とした答えに思わず顔を背けたくなった。

嘘だろ?だってまだ……

“執事”の身なのに



「本気か、お前」

「あぁ、もちろん返事は聞かなかったけどな」


契約は今日までだが、やりきった感を漂わせながらの彼を直視できない。


俺はとてもじゃないけどそんなことはできない。


「ひとり言として受け止めてくれた。覚えとけとは言ったけどな」

「慧斗にぃ……」


流叶は寂しそうに、俺を見ただけだった。