「ふーん……んじゃ、結愛ちゃん。次はこれに付き合えよ」 そう言ってニヒルな笑みを浮かべる秀の指差す先。 ――“迷い子の館” 全体的に廃墟のように薄暗く、陰気なオーラが漂っている。 「ほんとに?」 「当然。拒否権もなし。行くぞー」 グイと引っ張られるのは右手。 なっ…なんというか、ここ……。 「絶対お化け屋敷じゃないですか!」 「名前からしてそうだろ」 テンション高い結愛ちゃんなら大丈夫だろーと笑う秀。うっ、太刀打ちできない。