心臓が、ぎゅうっと締め付けられるのが自分でも理解できた。 お嬢様じゃなくて――女の子。 わたしの叶えられない夢であり、あこがれでもある。 贅沢だって言われることもある。 「うん!」 だけど、みんななら叶えてくれる気がするの。 返事に満足したのかニヤッと笑って出ていく秀。実は様子を見に来てくれたこともわかる。 なんて考えながら、わたしは奥の引き戸から服を取り出した。 ∬ 「なっ……」 「!?」 「おぉー」 「ふ、馬子にも衣装だな」